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​マイガーディアン

高齢者こども権利擁護・支援 任意団体

画像プレースホルダー
サービス

マイガーディアンの活動理念  

社会福祉士の倫理基準
愛(寛容・親切・真理)・共感

​サービス(相談は無料、各種補助制度あり)

事例

     一人暮しの高齢者

​      法定後見人

      任意後見人

法定成年後見類型(生活保護受給者対象)

 本人の判断能力に従い、後見、補佐、補助がある

 

任意後見人(一人暮しの高齢者自律生活支援)

 ①移行型見守り支援メニュー

   見守り:安否確認・社会生活

   介護契約等の支援

   安心生活設計・遺言書作成支援  

​ ②任意後見契約内容

   日常生活の金銭管理

   介護・医療契約支援

   身上監護

   死後事務

 任意後見人制度の特徴

 ①契約を基本とし本人の意思・自己決定を尊重

 ②契約前に委任者と受任者の信頼関係を築く

 ③法廷後見人の同意権・取り消し権が無い

 ④後見人報酬は無料、交通費等は実費

 ⑤任意後見契約は公正証書による

 ⑥任意後見監督人の選任により効力が生じる

​ ⑦死後の事務を依頼できる

 

    

      子ども
​   未成年後見人・里親
           ファミリーホーム

自立支援児童
①親の不在
②軽度知的障害・発達障害・愛着障害
  認知機能・感情機能・行動機能・社会性

未成年後見人制度(法定)の特徴
①親権者がいない場合申請できる。
②親権の行使が不適当(虐待等)で子どもの利益
 を害する時、親の親権停止を申請できる。
③未成年後見人は親権者と同じ責任・義務がある
➃子供は在宅・施設・里親宅での養育となる。

任意未成年後見人
​親又は本人との契約による、私的後見人となる


里親制度の特徴
①単身者でも研修を受けて里親になれる。
②児童相談所からの委託により養育する。
③里親・ファミリーホーム養育指針により養育。
➃養育・短期・季節・週末里親等がある。

    お問い合わせ    

       マイガーディアン共同代表        

        社会福祉士 森山章一

         Tel:06-6415-8900

         Fax:06-6415-8900

         email:veq00110@nifty.com

         H.P:https://www.facebook.com/shoichi.moriyama.3/

                  経歴

    1943年 島根県生まれ

    1982年 キリスト者となる(社会福祉の原点)

    2002年 会社定年退職(海外業務)

    2003年 佛教大学社会福祉学科(通信)卒業

    2003年~ 里親登録(短期、季節、一時保護)

            2004年~ 社会福祉士登録

            2004年~2007年 児童養護施設(こどもの家)ボランティア  

    2006年~ 兵庫社会福祉士会・成年後見人登録

    2006~2013年 NPO法人パスネット (権利擁護支援)相談員

    2011~2019年 阪神南地区里親会理事

    2013~2019年 兵庫社会福祉士会・未成年後見検討PJ委員

    2019年 阪神南地区里親会・子ども自立支援委員会委員長

​​    2019年~ Bible Study Meeting at Home

    2020年~ (任意団体)マイガーディアン・共同代表

          MYGUARDIAN

    1人暮らし高齢者の権利擁護・生活支援

「いかに生きていくのか」「どのように生きたいのか」

    1人暮らしの高齢者世帯は   年には全世帯の  %になる。

    果たしてどれだけの人が1人暮らしへの備えができているだろうか?

   ①元気なうちは何とか暮らしていけるが、病気がちになり、身体が不自由になり判断・認知能力も衰えてくると、

    誰かの助けが必要になってくる。 

   ②核家族の家庭で、子ども世代も共働き等で、親の介護等の助けができる家族が少なくなり、心身が弱った時に子ども・

    身内を頼りにすることができなくなってきた。

   ③これからの高齢者は一人一人が「どのように生きたいか」「いかに生きていくか」考え、自律的に生活を築いて

    いかねばならない。

  

「どのように生きたいのか」

    高齢者それぞれの人生を通して培われた人生観、生き方によって残された人生を歩んでいくが、人生を全うするのに

    共通的に求めるだろうことは?

   ①心身共に健康に生きる、平和と共生の生活

   ②自分の意志が尊重され、真実・自由・平安と喜びをもって暮らす

   ③愛と共感を大切にする生活(個人的に大切にしたいそれぞれの思い)

 

「いかに生きていくのか」

   心身が弱ればいずれは自分の力では生きたい人生を送ることができなくなり助け手が必要となる。

   身体・判断能力の衰えた高齢者の生活支援をするには、自立した生活ができる段階から、本人の意思を尊重し、

   「いかに生きていくのか」その人の思いを共有して、権利擁護の視点からの生活支援が求められる。

 

MYGUADIANによる生活支援

   MYGUADIANは生活支援が必要な高齢者に対し「愛‐寛容・親切・真理」「共感」「人間の尊厳」「人権」社会正義」

   「貢献」「誠実」「専門的力量」を価値と原則として、「利用者の利益の最優先」「受容」「説明責任」

   「自己決定の尊重」「意思決定の支援」「プライバシーの尊重」「情報の共有」「差別・虐待の禁止」「権利侵害の防止」

   の社会福祉士の倫理に従って、任意後見制度によって、その人の希望する生活を種々の社会資源を利用して築いていく

   支援をします。

                     MYGUARDIANの任意後見人

1.任意後見契約とはどのような制度でしょうか

    任意後見契約とは、委任者(本人)が契約に必要な判断能力を有しているうちに、受任者に対し、精神上の障害により

           事理を弁識する能力が不十分な状況における自己の生活、療養看護および財産の管理に関する事務の全部または一部を

           委託し、その委託に係る事務について代理権を付与する委任契約であって、任意後見法第4条第1項の規定により

           任意後見監督人が選任された時からその効力を生ずる旨の定めのあるものを言います。(任意後見法第2条第1号)

2・任意後見人・任意後見監督人

    任意後見人を誰にするかは全面的に本人の自己決定に任せられていますが、任意後見監督人は、家庭裁判所がその裁量

           で任意後見監督に最も適任と認められる者を選任することとなります。

 

3・任意後見契約の内容

    代理権を付与する任意契約である以上、任意後見人が受任すべき事務の内容は、法律行為に限定されます。

           本人は契約に基づいて任意の代理権を任意後見人に付与することができます。また、任意後見人は当事者間の任意の特約             にもとづいて報酬を請求できます(民法第648条)。

 

4・任意後見監督人の職務

      任意後見契約は任意後見監督人の選任によって効力が生まれ、次の職務を担当します。

   ①任意後見人の事務を監督すること

   ②任意後見人の事務に関し、家庭裁判所に定期的に報告すること

   ③急迫の事情がある場合に、任意後見人の代理権の範囲内において、必要な処分をすること

   ④任意後見人またはその代表する者と本人との利益が相反する行為について本人を代表すること、等となっています                    (任意後見法第7条1項)。

    任意後見監督人の資格については、法律上の制限がないので、家庭裁判所は自然人および法人を任意後見監督人に選任

    できます。

 

5・任意後見契約の契約類型

     将来型

       将来本人の能力が低下したときに任意後見監督人選任の申し立てをして任意後見人になる型

     移行型

       契約当初は任意契約に基づく代理人(任意代理)として本人のための事務を執り行い、本人の能力が低下

       したときは、任意後見監督人の選任の申し立てをして、任意後見人に就任する型

     即効型

       契約時には本人の能力が低下し始めており、契約締結と同時に任意後見監督人選任の申立をして、すぐに

       任意後見人になる型

 

6・任意後見契約の見本

    任意後見契約書式例 ①将来型 ②移行型 ③即効型

    別掲資料参照

 

7・公正証書の作成

    任意後見契約は、公正証書をもって締結することが必要です。

    任意後見契約の公正証書の作成手数料は、11,000円プラス印紙代。

    移行型の場合は任意代理人契約分として11,000円加える 

 

8・マイガーディアンの任意後見制度への対応

    ○会員登録:マイガーディアンの任意後見人、受任希望者は活動理念に賛同し会員になる必要があります。

    ①受任・委任希望者の意向確認

    ②受任者と委任者の交流・信頼関係の構築

       必要に応じて生活相談・生活状況確認・見守り

    ③委任契約のチェック・締結

       代理権を付与する委任契約を作成します。

       内容が適正か、社会福祉士会パートナー(権利擁護委員会)がチェックします。

    ➃任意後見監督人の選任

       任意後見人は委任者の判断能力が不十分な状況(法廷後見の補助相等)で受任者の同意を得て家庭裁判所へ

       任意後見監督人(候補者:マイガーディアン又は親族)の選任の申し立てをします。

    ⑤任意後見人は委任者の意向を尊重して代理権を行使します。

       任意後見人は任意後見監督人に定期的に事務の報告をします。

       任意後見監督人は規定に従い職務を遂行し裁判所に事務の報告をします。

9・費用の目安

    任意後見受任者定額報酬 見守り契約(将来型)を想定 : 原則無料

    任意後見人定額報酬 : 原則無料

    任意後見監督人 : 年額20,000円

          (注)事務を処理するために必要な交通費等の実費は予め請求する

                                                    未成年後見制度

         子ども家庭支援委員会 学習会資料  2014年10月18日 改定:2020.9 森山 

 1.2012年 民法等の一部を改正する法律(児童虐待の防止、権利利益の擁護)

        未成年後見人として複数の者や法人を選任できるようになった。

        児童相談所長も親権喪失・停止の審判請求ができるようになった。

        家庭裁判所は2年を超えない範囲で父母の親権停止の審判ができる。

        児童相談所長は児童の福祉のために必要がある時は未成年後見人の選任の請求をしなければならない。

        児童相談所長は親権者のいない里親委託中の児童の親権を行う。

                       児童福祉施設長、里親は児童の監護・教育及び懲戒のため必要な処置を取ることができる。

 2.未成年後見人に関する民法

    親権者

      818条 成年に達しない子は、父母の親権に、子が養子であるときは、養親の親権に服する。

    親権の効力(820条~837条)

      820条 監護及び教育の権利義務

           親権を有する者は小の利益のために子の監護及び教育を有し義務を負う。(子の利益を害するときは

                                親権停止または喪失の審判をすることができる)

      821条 居所の指定

      822条 懲戒

      823条 職業の許可

      824条 財産の管理及び代理

    後見の開始

      838条 後見は、次に揚げる場合に開始する。

                               未成年者に対して親権を行う者がないとき、又は親権を行う者が管理権を有しないとき。

                               後見開始の審判があった時。

    未成年後見人の指定

      839条 未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定できる。

    未成年後見人の選任

      840条 未成年後見人となるべき者がいないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人またはその親族その他の

                             利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。

    未成年後見人の身上の監護に関する権利義務

      857条 未成年後見人は、820条から823条までに規定する事項について親権を行う者と同一の権利義務を有する。

    財産の管理及び代表

      859条 後見人は、被後見人の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為について被後見人を代表る。   

 

    里親委託中の児童の親権

              両親が死亡、親権停止等の審判等で親権者がいない里親委託中の児童の親権は児童相談所長が代行する。  

        里親は委託児童の監護・教育及び懲戒のため必要な処置を取ることができる、   

                親権者等は不当にその措置を不当に妨げてはならない。

        18歳になり措置解除になった後、18歳から20歳までの間、親権を行う者がいなくなる場合がある。

           未成年者が法律行為(契約等)を行うには、その法定代理人の同意を得ることが必要とされている。

         身元保証人確保対策事業

          就職時の身元保証

          居住を目的とする住宅等賃借時の連帯保証

    パスポート取得:里親の署名で可能、親権者がいないときは未成年後見人が必要

     

 3.未成年後見人補償制度 2012年度から

     保険契約者:日本社会福祉士会  

     被保険者:都道府県が認めた未成年後見人及び被後見人、保険料は公費負担

     加入要件

       児童相談所長が未成年後見人の選任を請求し、家庭裁判所より選任された者で、被後見人の財産が1000万円

       以下で親族以外の者

     子どもが入所している施設の法人職員、委託されている里親が未成年後見人となる場合は対象外

     賠償責任保険(特約):1億円

       契約者または被保険者(保険の対象となる方)の故意による損害賠償責任については支払われない。

 

 4.未成年後見人の報酬補助事業(主として虐待児童の未成年後見への対応)

     家庭裁判所に報酬付与の申し立てを行い、報酬の決定をもって都道府県に報酬補助申請をする。

     家庭裁判所が決定した報酬額に対して月額2万円の範囲で補助が行われる。

    (注)子どもが将来の生活でどの程度費用を要するか予測が困難な状況で、子どもの財産をもって報酬の

       支払いに充てるのが適切であるか問題がある。

 

 5. 東北大震災における震災孤児

     3県合計・240人

        養護施設入所はわずか2人、ほとんどが親族里親のもとで育てられている。

        未成年後見人の申し立てが200人(2012年3月)

        弔慰金、義捐金、生命保険等の受け取り、遺産相続、財産管理、見守り

     宮城県司法書士会の対応

        震災孤児に対応する為「未成年後見委員会」を設置し、名簿登録のための単位研修

         (未成年後見分野:6.5単位、児童福祉分野:8.5単位、後見制度支援信託分野:2単位、

          財産管理分野:2単位)を実施し、候補者名簿を作成した。

     2012年10月~2013年10月までの間、家庭裁判所から45件の推薦依頼を受けたほとんどが親族との複数後見で

     10件程度は後見制度支援信託、9件は震災以外の一般の未成年後見事件 

 

 6.2012年度の未成年後見人選任事件総数は2、835件  

     2012年の成年後見関係事件の申し立て件数は34,689件

     親権を行使する者がいない子どもについては親族による保護や児童福祉施設長による親権の代行がなされている。

 

 7. 乳児院、児童養護施設、里親、に措置されている児童の未成年後見人

     児童相談所長は福祉のための必要があれば未成年後見人の申請をしなければならない。

 8.社会福祉士会からの制度に対する提案 2020年

     施設児童の親権の代行者である施設長は退職、移動等によって変わり、児童を長期にわたって継続的に見守る者が

     いない。また、児童のパーマネンシ―プランニングや自立を見通した支援においては、退所時の居所の指定や

     職業選択おいて、親権を行使する者が不在で児童が不利益を被っている状況にある。児童養護施設や里親等で

     生活する子どもに親権が適切に行使できるように、児童相談所長は親権停止の措置や未成年後見制度を接虚無的に
     適用することを求める

 9.子どもの福祉・自立支援・権利擁護の視点から社会福祉士の対応が求められる 

     未成年後見人の選任件数が少ない、社会福祉士会としての対応を検討中

     子どもの身上監護の面においては社会福祉士が適任

     被後見人の犯罪行為で損害賠償請求を受けるリスクがある。

     成年後見と同様、未成年後見人の研修、登録制度が必要(社会福祉士会は2019年確立した)

     児童相談所、家庭裁判所との連携

          

           里親制度

      子ども家庭支援委員会 学習会資料  2014年10月18日 改定:2020.9 森山

 

里親制度改革

 2000年 児童虐待防止法

 2002年 里親の認定等に関する省令(児童虐待、非行等への対応)

        里親の種類:養育里親、短期里親、専門里親、親族里親

 2009年 里親制度改革

        養育里親を養子縁組を前提としない社会的養護の担い手と明確化

          里親手当の増額

        ファミリーホーム制度創設(小規模住居型児童養育事業)

          里親や児童福祉施設等の経験がある者が養育者となり、養育者の住

          居において、5~6人の子どもを養育する制度であり、里親と同様の

          家庭養護の担い手とした。

 2012年 里親ファミリーホーム養育指針(厚生労働省 局長通知)

        社会的養護は子どもの権利擁護を図るための仕組みであり「子供の最善の利益のために」を基本理念とする。

        社会的養護のあり方は養育のモデルを示せるような水準が求められている。

 

里親制度の概要

1.里親 

      保護者のいない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められた  児童を養育することを

      希望する者であって、都道府県知事が適当と認める者(児童福祉法27条)

 

2.  里親になるための要件

      子どもの養育について理解や熱意と愛情を持っていること

      心身共に健全で、経済的に困窮していないこと

      子どもの養育に関し、虐待等の問題がないと認められること

 

3.里親が行う養育に関する最低基準(省令 2004年 1条~20条) 

       養育の一般原則  

                 1 里親が行う養育は、委託児童の自主性を尊重し、基本的な生活習慣を確立するとともに、豊かな人間性

                      及び社会性を養い、委託児童の自立を支援することを目的として行わなければならない。

       2 里親は、前項の養育を効果的に行うため、都道府県が行う研修を受け、その資質の向上を図るよう

                      努めなければならない。

    養育計画の順守

    里親は、児童相談所所長があらかじめ当該里親並びにその養育する委託児童及びその保護者の意見を聴いて

       当該委託児童ごとに作成する養育計画に従って、当該委託児童を養育しなければならない。

    養育する委託児童の年齢 

                 1 里親が養育する委託児童は、18歳未満の者とする。

         2 前項にかかわらず、都道府県知事が委託児童、その保護者及び児童相談所長からの意見を勘案して必要と

                       認めるときは、当該児童が20歳に達する日までの間、養育を継続することができる。

    養育する委託児童の人数の限度

        養育里親:同時に養育する委託児童とそれ以外の児童の合計は6人を超えない。

          (委託児童は1~4人)

        専門里親:同時に養育する委託児童の人数は2人を超えない。

 

4.里親の種類

        養育里親 養子縁組を前提としない里親であって、所定の研修を終了し、養育里親名簿に登録されたもの。

           里親研修 

                                      基礎研修  1日+実習1日程度

                                      認定前研修 2日+実習2日程度

           専門里親 虐待を受けた子どもや障害のある子どもなど、専門的な援助を必要とする子どもの里親で 

                                              3年以上養育里親を経験し、専門里親研修を終了し、養育に専念できること。

                      親族里親 実親の死亡や行方不明などで、祖父母などの三親等以内の親族が子どもを養育する場合の里親

                            養子縁組里親 養子縁組によって養親となることを希望するもの

 

                  2013年3月末現在 兵庫県の登録/委託里親数 

                               養育:244/85 専門:22/10 親族:7/8 養子縁組:15/1

               

5.里親手当

     養育里親 90、000円(2人目も同額)、他に生活費(47、680円)補助制度あり 

     専門里親 123、000円 他に生活費(47、680円)他

     親族里親、養子縁組里親については手当はなし、親族里親には一般生活費支給

     (参考)児童養護施設の措置費:一人当たり約27万円

 

6.里親委託ガイドライン (児童家庭局長通知2011年)

    1.里親委託優先の原則

​        ・家族を基本とした家庭は、子どもの成長、福祉及び保護にとって自然な環境である。

        ・里親家庭に委託することにより、特定の大人との愛着関係の下で養育されることにより

         安心感、自己肯定感、基本的信頼感を育むことができる。   

        ・家庭生活を体験し、将来、家庭生活を築く上でのモデルとすることができる。

        ・家庭生活での人間関係を学び、地域社会での社会性を養い、生活技術を獲得できる、などが期待でき、

         社会的養護では里親委託を優先して検討すべきである。

        ・もっとも、里親の数の確保が不十分であり、様様な問題を抱える子供に対応できる里親も少ない現状から、

        ・施設養護の役割も大きく、その質の充実に努める必要がある。

    2.  里親への支援

               里親委託を推進するためには、里親の居住する市区町村や里親支援機関、児童家庭支援センターと

         連携し、里親の資質向上を図る研修を行い、里親が孤立しないよう支援する。

         里親委託後は定期的な家庭訪問を行い、里親や子供の状況を把握する。また、里親の相互交流や、

         地域の子育て情報の提供、里親の一時的休息のための支援(レスパイト)、相談など、里親支援を行う。

 

7.社会的養護の整備量の将来像(社会的養護専門委員会とりまとめ 2011年 )

        今後十数年をかけて、里親等(家庭的養護)、グループホーム、本体施設が概ね1/3ずつという姿に

        変えていく。

          ・里親等:里親、ファミリーホーム 

          ・グループホーム:地域小規模児童養護施設(小規模ケアのグループホーム型)     

          ・本体施設:乳児院、児童養護施設       

 

        2012年度末施設・里親委託児童

          ・里親等:     5,407人   14.8%  → 30%以上

          ・児童養護施設: 28,233人   77.2%  → 2万人程度

          ・乳児院:     2,924人   8.0%  → できるだけ里親へ

       

        2012年度末里親委託率 

           里親委託率:里親委託児童数/里親委託児童数;+乳児院児童数+児童養護施設児童数

             全国平均:14.8% 最少:金沢市5.0% 最大:新潟県44.3%

             兵庫県:9.4% 

             アメリカ:77% 

 

8.里親委託の推進と里親支援

​   委託児童の背景

       児童の問題の複雑化、障害のある児童・虐待を受けた児童の増加

         障害等のある児童:児童養護施設においては約1/4が障害ありとなっている

         虐待を受けた児童:児童養護施設においては1/2以上は虐待を受けている

    委託可能な養育里親の確保

       制度の社会的認知度が低く、新規委託可能な登録里親が少ない ➝ 増やす

       里親の希望する条件等と合わない。

       将来、養子縁組を希望する里親が多い。

    信頼関係の構築が難しく、児童相談所として信頼できる里親が限られる。

       里親の社会的養護の理解と養育技術向上

    里子が万一のトラブルや事故に遭遇した時の里親としての責任が心配で登録申請に至らない。

   里親支援

     虐待等で心に傷を持ついろいろな形で育てづらさが出る場合が多い。

       愛情、思いやりだけでは子育ては難しい、子どもに余裕をもった対応ができる環境作り

         レスパイトケア

       研修、相談、里親相互交流(里親会)を通じた養育力の向上

     里親の孤立を防ぐ支援が重要

       里親は児童を社会で育てる支援者の中心的存在で支援機関を利用して問題を一人で背負わない。

     里親支援機関事業

       里親支援機関は里親会や児童家庭支援センター、児童養護施設、乳児院、家庭養護促進協会、NPOなど

       市町村(児童家庭相談、子育て支援施策)との連携

     委託後の里親家庭への訪問

       児童相談所里親担当の定期的訪問

   

9.課題と取組

     里親はプロではないがプロ意識のある人たちが里親になる。

     里親は最も私的な領域である家庭において社会的養護という公的養護の担い手、子どもの権利擁護の担い手

     として、子どもの最善の利益を図る一番身近な支援者。里親が親代わりの養育をすることではない。

        家庭養護の養育は知識と技術に裏付けられた全人格を通しての養育の営み。

     研修・研鑽の機会を得ながら事故の養育力を高める必要がある。

     社会的養護のさまざまな担い手との連携の下で社会的養護を必要とする子どもたちへの適切な支援を実現していく。

        家族の同意、協力が必要

        ファミリーホームの推進

     実親の同意の問題

     施設なら同意するが里親の場合に同意しない

        社会的養護での里親委託を理解するよう児童相談所職員は説明を尽くす。

       実親との交流

        子どもの状況に応じ、実親との面会、外出、一時帰宅など一定のルールの下で積極的に行う。

   里親への委託推進、マッチング 

     7~8割は被虐待経験者、情緒障害児短期治療施設(兵庫県立清水が丘学園)などで

     しっかりケアを受けてから里親委託するケースもある。

        里親委託へ向けての児童相談所の積極的な取り組みが必要

     週末里親、季節里親

     多様な里親形態による施設児童の家庭生活の経験・見守りと養育里親へのステップ

     一時保護の里親活用

     保護された子どもが同じ学校などに通学できる

     一時保護から養育里親へ

   児童相談所、児童養護施設等、里親会相互の子どもの最適な養育環境を与える連携

     児童相談所   里親担当者

     児童養護施設等 里親支援専門相談員(里親支援ソーシャルワーカー)

   子どもと里親のニーズに答えるソーシャルワーク

     里親会での活動   

     未成年後見人

     育児・子育て支援、

             任意団体 マイガーディアンの会員・活動  

                 改定A:2020年9月 森山

 

1)会員

        マイガーディアンの会員は「マイガーディアンの活動理念」に賛同し、クライアントの意志(いかに生きるか)

                を尊重し、人権を擁護・支援する。

          重点的取組

           任意後見人(法廷後見人):信頼関係の構築と意志決定支援。

          未成年後見人:子どもの自立支援と最善の利益・意志表明権の尊重。

          里親・ファミリーホーム:里親及びファミリーホームの養育指針に従う。

 

       ①共同代表・協力者

          パートナー登録者(社会福祉士)連携・相互協力

          任意後見人    

          未成年後見人                               

        里親登録者

       ②利用者

          高齢者 

          一人暮らしの高齢者(任意後見人制度利用者・希望者)

          社会的養護が必要な児童及び養育者                                                                               

          自立支援の必要な子ども及びその養育者

       ③支援者          

      活動理念に賛同し支援する者

 

2)活動内容   協力者・利用者・支援者の参加による活動

    ①交流会、リモートネットワークの構築

        ②情報交換・ケース検討会議・相互協力      

    ③守秘義務

3)キーワード

     ・対話で人間は変わる。他者の他者性、すなわち「私」との異質性を尊重し歓迎する姿勢が対話に余白をもたらし、

           ・その余白において主体的な変化が生じる。(斉藤環)

     ・受け入れる(加島祥造)

     ・主は言われる「貧しいものがかすめられ、乏しいものが嘆くゆえに、私はいま立ち上がって、彼らをその慕い求める

            安全  な所に置こう」。(詩編12:5) 

    ・LIFE SPAN―なぜ老いるのか、老いの無い身体を手に入れる(David A Sinclaiir)

        ・14歳の君へ(池田晶子)

    ・理念を追求する

          子どもの社会的養護(マイガーディアン・自立支援)

                   改定A:2020年9月 森山

 

1.里親及びファミリーホームの養育指針

         里親及びファミリーホームの養育指針(以下養育指針)は、会的養護(保護・養育し自立支援を行うこと)を

               必要とする子どもの養育指針で、社会的養護の担い手との連携の下で、適切な支援を実現していくことを

               目的とする(平成24年3月 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)。

           家庭や地域における養育機能の低下が指摘されている今日、社会的養護のあり方には、養育モデルを示せるような

               水準が求められており、この養育指針は一般家庭への子の養育にも適用できる理念が示されている。

 

2.養育指針

         養育指針には社会的養護・養育の基本理念と原理、里親の役割と理念、家庭養護の在り方、養育支援について

               定められている。    

                    ①子どもの最善の利益のために

                    ②すべての子どもを社会全体で育む

                    ③家庭的養護と個別化。

                    ④発達の保障と自立支援

                    ⑤継続的支援と連携アプローチ(社会的養護は始まりからアフターケアまで)

                    ⑥ライフサイクルを見通した支援

                    ⑦ソーシャルワークとケアワークを適切に組み合わせた支援が必要

                    ⑧里親が行う養育は、委託児童の自主性を尊重し、基本的な生活習慣を確立すると共に豊かな人間性

                       及び社会性を  養い、かつ、将来自立した生活を営むために必要な知識及び経験を得ることができるように

                       行わなければならない。 

                    ⑨社会的養護の養育は、家庭内の養育者が単独で担えるものではなく、家庭外の協力者なくして成立しえない。

                       また、家庭内の養育上の課題や問題を解決し或いは予防するためにも、養育者は協力者を活用し、

                       養育の在り方をできるだけ「ひらく」必要がある。

                    ⑩安心感・安全感のある過程での自尊心の育み

                    ⑪自立して生活できる力を育む

                    ⑫里親が社会的養護としての責任を果たすためには、外からの支援を受けることが大前提である。

                    ⑬関係機関・支援者との養育チーム作り

                    ⑭「中途からの養育」であることの理解

                    ⑮子どもの選択の尊重

                    ⑯教育の保障と社会性の獲得支援、進路選択の支援

                    ⑰自立支援計画と記録

                    ⑱子どもの権利擁護(子どもの尊重と最善の利益の考慮)

                    ⑲養育技術の向上

3.マイガーディアンと社会的養護

     ①養育者は子どもの自立に向けて社会的養護、養育指針に従って養育する役目がある。

               ②マイガーディアンは、子どもの特性及びニーズに即した自立を達成するため、共働的な支援体制を構築し、

                  効果的な支援・相談に応じる。

               ③開かれた養育とするために養育者又は子どもの希望によりマイガーディアンの自立支援を受けることができる。

               ④マイガーディアンは「活動の理念」及び子ども中心の基本的考え方により、子どもの自立に向けて

                  養育者・子どもの支援をする。

 

4.ソーシャルワークと子どもの自立支援

     マイガーディアンは養育者又は子ども自立支援の依頼を受領し、以下のソーシャルワークの原則に従って、

     子どもとの関係性を築き、直接支援すると共に社会資源を利用し支援環境を整え子どもの自立の援助をする。

       ①(自己実現の権利と社会の債務)人は、他人の権利を侵害しない限度において自己実現の権利を有する

       ②(クライエントの利益優先)支援に当たっては里子の利益を最優先に考える

       ③(クライエントの意志決定能力への対応)意思決定能力の不十分な里子に対して、常に最善の方法を

         用いて利益と権利を擁護する。

       ④(クライエントの受容)支援に当たっては自らの先入観や偏見を排し、里子のあるがままを受容する。

          マイガーディアン・自立支援(2)

 

1、子どもの自立支援

    ①リスク社会、個人化社会で子どもがいかに生きていくか共に考える

    ②ひたすら寄り添う自立への伴走、

    ③子どもが自身の力で課題を解決するプロセスを見守り寄り添う

    ④本人の気づきに期待する。自己成長による自立

    ⑤ 1)受け止める 2)評価しない 3)解決しようとしない 4)議論しない

    ⑥自立生活:職業・学び・思索・交友・家事・余暇、

    ⑦健康管理、食事(栄養)管理、金銭管理

    ⑧社会人として、自己責任の自覚 (自分の行動、決断の結果に責任をもつ)

    ⑨コミュニケーション力の養成(自分の意思、考えを正しく表明できる)

    ⑩人とのつながりを保つ(人との絆を大切に)

    ⑪相手を思いやる。相手も人間、悩み苦しみが有り完全でない

    ⑫過去は変えられないが、未来は変えられる、これからどうする

    ⑬意思決定支援(本人の権利を尊重した意志の形成の支援)

    ⑭支援者コンサルテーション 支援に向けての助言と情報提供、コーディネート

    ⑮支援者スーパーバイジング 監督、指揮、助言、支持  

    ⑯子どもの理解:子どもの愛着、社会性の形成には差があり、自立支援に当たっては、子どもの特性・状態に

     合わせた適切な支援が求められ、子どもの愛着障害、自閉症スペクトラム、発達障害等への理解が必要である。

    ⑰依存からの脱出

       一人でいることが不安、落ち着きがなく何かに依存している - 依存

       一人でいられる能力は、母親の腕の中で芽を吹き育つ - 自立の過程

       依存からの脱出 寂しさを受け入れる/真実・正直に生きる - 自立

    ⑱自己肯定感を持つ。人と比較しない、

    ⑲自己の価値体系を確立する。既存の概念にとらわれない生き方ができる

    ⑳社会の一員としての個人の確立(社会性、コミュニケーション)

    ㉑大学進学への助言  本人の意思の尊重、学習支援、経済的支援、自立準備

 

2、自立支援計画

     本人のライフステージの中で、自立のための目標を立て、これから成すべき計画を立てる

       ①22歳時点でのあるべき姿

       ②現在の問題点・改善点・悩み・不安・望み、

       ③本人の希望・意見

       ④②③に対する支援内容

       ⑤短期・長期プランの作成

        子どもの特性・意志、里親の意見を反映して、これからの支援プランを作成する。

 

3、子どもとの面談

     ・多くの人に学ぶ、悩み・問題の助言を得る、孤立しない

     ・自分の考えをまとめ、表現しこれから成すべきことを明確にする

     ・動機付け、気づき、意志決定支援

     ・自から学び、自分で考え、解決していく意識を育成する

     ・面談者の自立支援の専門性は価値観・知識・経験・実践によって担保される

     ・子どもの意思を尊重し、子どもの立場で共に考える

     ・傾聴の3条件(カール・ロジャース:相談援助)

     ・本来の自然な力が発揮できることを目標に、情緒的な絆を形成する。

        ①自己一致(一致)  誠実で正直であること

        ②共感的理解(共感)  相手の身になって、見、感じ、考えること 

        ③無条件の肯定的配慮(受容)  相手をそのまま受け入れること

     ・ケースワーク 健全な生活が送れるよう、生活環境を調整する

 

4、子どもへの助言

     1)悩んでいることの分類   

         ①自分の事   性格、容姿、病気、将来、

         ②家族の事   父、母、兄弟姉妹、実親

         ③学校の事   友人関係、クラブ活動、授業・勉強、

         ④仕事の事   

         ⑤その他

     2)具体的に何が悩み・問題と思っているのか

     3)どうありたいのか、自分はどうしたい

     4)変わらないこと、変わること、がある

         変わらないことが多い  今の環境・自分を受け入れる

         変わること       環境

         将来の希望、夢に向かっていかに歩むか

     5)自立に向けての心構え

         自分で考え、解決できないことは、支援を受ける

         自分の中に閉じこもらない、社会との関係を持つ

         かけがえのない自分と認める、自己肯定感

           個性を伸ばす(好きなこと、長所)、自信を付ける

           自立していくためには「経済的裏付け」と「愛」が必要

     6)根気がない、ルーズな性格、→ 続かない → 自発的にできるもの

        <参考>

          ナラティブ/社会構成主義キャリアカウンセリング(意思決定支援、未来志向)

            ①「好きなもの/こと」「楽しかったこと/場面/時間」「関心・感動したこと」「頑張ったこと」

            ②「自分にとってどういう人生を送ると幸せ/満足と思えるか」

             「これからどういうもの/こと/価値観を大切にしていきたいか」

            ③「そのためにはこれから何をしたらいいか/何をしたいか」考える

            ④○○に自信がない 自信が持てそうな自分の資源を考える

            ⑤将来が不安  不安を克服できそうな自分の資源を考える

              ⑥共に考える  自立とは? 大人とは? 社会人とは?

 

5、支援者

     ①知識を土台とした経験が大切

     ②里親及びファミリーホーム養育指針を理解する

     ③社会的養護を良く理解する。

     ④自立支援・自立支援計画の必要性を、養育者に理解してもらう

     ⑤子どもの特性を理解する

     ⑤不登校、引きこもり、不就労、発達障害愛着障害自閉症スペクトラム、PTSD児童への養育者としての対応

     ⑤人を受け入れ愛する(小どもの頃の愛のイメージが現在も投影されていないか)

     ⑥子どもの人権を尊重する

     ⑦生きる土台を作る手助けをする

 

6、支援・援助には子どもの状態・特性に合わせた対応が求められる

     1)不登校・ひきこもり 不登校・ひきこもりを生きる 高岡健著(岐阜大学医学部準教授・精神科医)

                             ひきこもり脱出支援マニュアル 家族療法 田村毅著

         ①登校拒否:教育システムに順応できない子どもがいる、個人の意志の尊重、

         ②ひきこもり:自分自身との対話の時期、回り道・無駄な時間も人生にとって大切。

                怠け、わがまま、甘えとは異なる。

         ③ひきこもりを保障する経済的基盤の検討、居場所を整える

         ④ひきこもりに対し焦る家族に対するサポートが必要

         ⑤親は悩む必要はない、本人の意志を認める姿勢が大切、安心基地

         ⑥待つ、受け入れ、自己肯定感を養う   

         ⑦集団と個人が対立した場合には無条件に個人に味方する(集団によるいじめ)

         ⑧アスペルガー症候群:一律の行動が苦手、自己へのこだわり

         ⑨親、兄弟、友達でない斜めの関係の人との関係も大切(叔父・叔母・支援者)

         ⑩社会化:環境との不調和の調整

 

        A)いじめ防止対策法

           ・いじめにより児童が不登校になる場合がある、年間30日以上の欠席がある場合はいじめを疑う

            必要がある。

           ・児童が心身の苦痛を感じており、本人がいじめと感じたらいじめである。

             ・早期発見のため、学校・保護者は表面に現れる不登校・登校しぶり・遅刻・早退などのサインを

                                   見逃さない。また背景にある養育環境や関係性の問題、発達の課題などについて留意する。

                  ・学校はいじめを早期発見できる校内体制を作り、いじめ被害の訴えがあった場合は、学校は

                                  早期に対応する。

 

             B)ひきこもり等児童福祉対策事業実施要綱

                 ・子どもの自主性及び社会性の身長、登校意欲の回復並びに家庭における養育機能の強化を図り

                                 子どもの福祉の向上に資することを目的とする

                 ・ひきこもり等児童宿泊等指導事業

 

             C)教師、新学習指導要領

                 ・「生きる力の」育成、基礎的・基本的な知識。技能の習得・思考力。判断力・表現力等の

                                  育成のバランス(授業時数の増、指導内容の充実、小学校外国語活動の導入)

 

               D)スクールソーシャルワーカーの活動領域  大塚美和子 神戸学院大学 大阪府教育委員会チーフSSW

                   個別事例への対応 

                    子どもと家庭と環境(学校と地域)間の調整

                    学校校内体制づくり、ケース会議の実施、知無支援のサポート、校内資源の活用

                    地域・社会資源との仲介・調整・連携、地域のネットワークの構築、行政との協働

        

              2)不就労 「働きたくない」というあなたへ 山田ズーニー(おとなの小論文教室)

                  ①就職:自分の手で居場所を築き、社会と自分を「へその緒」で結ぶ行為

                  ②人には「行く場所」と「帰る場所」が必要➝例:家庭と職場

                  ③自立して生きていくために、「金」と「愛」が必要➝「自由」を得る

                  ④社会では自分から求めないと何も得られない➝求めなさい

                            ⑤自分を信じ、考え、自分の意思で、レールに乗る➝前に進む、社会と通じる

                  ⑥世界とどうかかわるか➝自分を開いて、違う世界へ

                  ⑦男性は自立的、女性は依存的、傾向をもって育てられてきた

                  ⑧正解のない問い➝自分に合った答えを探す

          ⑨居場所 自立して生きていくためには居場所(仕事)が必要

                 ・働くということは、社会とつながるということ

                 ・自分から求めないとあたえられない。

                 ・人は、家族や友人のように、「好き」でつながっている人間関係だけでは生きられない

                                   のだと悟った。少なくとも自分はそうだ。もっと大きな枠組みでの、人との「絆」が要る。

                                   必要とされたり、役に立てたり、貢献したり、張力しあったり・・・・

 

                3)発達障害   改正発達障害者支援法(H28年)

                             発達障害療育に糸口、発達障害への支援や治療法は?

                          ①主に脳機能障害で、通常低年齢で発現する発達の遅れ

                          ②いくつかの発達障害を合併することもあり、精神障害や知能障害を伴う場合もある

                          ③自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害、学習障害などの障害

                          ④発達障害者支援センター:相談支援・発達支援・就労支援・地域支援機関(医療機関等)との連携

                          ⑤④療育は持っている力を引出し、充実した生活への援助で、社会的自立への支援     

                          ⑥不適切な対処で、自信喪失、不登校、引きこもりなど二次障害を起こす場合がある 

                          ⑦子どもの状態・特性に応じたアプローチが必要

                          ⑧無理に何か出来るように訓練したり症状の改善のために何かをしたりするのでない

                          ⑨特別支援学校高等部、大学や専門学校への選択肢

                          ⑩一般就労のほか、障害者手帳を取得して障害者雇用枠を利用しての就労がある 

                          ⑪発達障害   原田憲明(医療法人内海慈仁会有馬病院 臨床心理士)

               広汎性発達障害

                自閉症

                 会話のやりとり、コミュニケーションが難しい

                                      遊びを中心とした集団での活動 

                アスペルガー症候群

                                      特定分野への強いこだわり、運動機能の軽度の障害がみられることがある

                 知的障害および言語障害を伴わない

               欠陥多動性障害(AD/HD)

                    忘れ物が多い、多動性

            自閉症スペクトラム障害(ASD)でも愛着障害でも起こり得る

                    症状が出にくいよう環境改善

                学習障害  スティーブン.スピルバーグ

                   脳機能の特性であり、病気でない

                   特性が問題なら「障害」活かせば「個性」

                   苦手克服より「得意を延ばす」「自信を持たせる」

                  「どうなりたいか」「どうしたいか」

                  適切な目標と課題

                  具体的な対応方法(授業を録音する等)を一緒に検討する

 

            4)愛着障害    やさしくわかる愛着障害(理解を深め、支援の基本を押さえる

                                 米澤好史著 ほんの森出版

                        ①愛着修復は、どの発達段階でもできる

                        ②親はもちろんのこと、心理療法や医療による治療ではなく」、その子に深くかかわる

           チャンスのある人なら、誰でも可能である(支援者)

 

7、カウンセリング・医療

    ・新・ほんものの相談     青木羊耳著 文芸社

           ひたすら聴き続け、寄り添い続け。その結果として、話し手の自立・自律を援助することになる

    ・精神科医の仕事、カウンセラーの仕事   藤本修/関根友実著 平凡社

           精神科医とカウンセラーの違い、役割、治療の方法、連携

    ・ナラティブ/社会構成主義キャリア・カウンセリング 渡邊昌平著 川島書店

             未来志向の新しいカウンセリング

 

8、精神疾患

    ・精神疾患については精神科医療

       見立てが重要(身体的要因・環境的要因・性格的要因)

       精神(心理)療法 治療契約と問題解決に向かっての共同作業

       臨床心理療法 自己成長力・自己治癒力を信じて見守る

    ・発達障害、アスペルガー症候群のボーダーは臨床心理士(カウンセラー)及び自立支援の対象 

       アセスメントにおいて対応を判断する

    ・カウンセリング 問題解決に向けての相談を受け回復を図る工程

             マイガーディアン・自立支援(3)

 

○子どものひきこもりと家族トラウマ

   服部雄一 生活人新書 NHK出版 2005年8月10日第1刷発行

   狭山心理研究所

 

   国内で100万人と呼ばれる「ひきこもり」は、アメリカ、ヨーロッパ諸国では見られない日本的な病である。

   人間関係の基本である親子の絆の喪失、いじめ、友人の裏切りで人間不信に陥った若者たち。その背後には、

   本音と建前が錯綜し、個人の感情を否定する「和の文化」があった。

   日本政府ひきこもり説、星一徹と星飛雄馬にみる親子関係・・・・・・ひきこもり=「甘え」論に真っ向から

   対立する結論に注目!

 

   ひきこもり

     人間とのコミュニケーションをあきらめた人

     部屋に引きこもるは一部の症状 多彩な症状がある

       対人恐怖 感情麻痺 不眠 自殺願望 心因性の身体症状 

     人間を信用していない

       人間関係のトラウマ(親との絆の喪失、いじめ、友人の裏切り)

   ひきこもりに対するアプローチ(日本では少数)

     ひきこもりをPTSD(心的外傷後ストレス障害)

       ひきこもりはトラウマがあるから人とうまく関われない

     個人の感情を否定する社会病理、日本文化がある

     人間関係のトラウマを生み出す日本社会の「負の到達点」

       ひきこもり 働けない 結婚できない(恋愛できない)

   ひきこもりの人間不信は親への不信感と関係している

     クライアントの親にどんな感情と関係を持つか

       親子の絆の欠落  100%

       親への不信感  100%

       親に自己表現できなかった子ども時代  89%

       幼児期に親を怖がる  80%

   ひきこもりの心理療法の四つの方針

     1、感情を取り戻す

     2、幼児期から表現できなかった「本当の自分」を復活させる

     3、セラピストと新しいアタッチメントを形成する

     4、社会復帰のリハビリ

        ①親と教師から学んだ習慣と価値観を壊す

        ②自己決断をする習慣を学ぶ

        ③自己主張をできるようにする

        ④異文化に触れる、親や学校以外の人間関係を広げる

        ⑤男女交際を学ぶ

   ひきこもりは進行性の病気であり、時間がたつほど感情マヒがひどくなる

       

〇セラピスト入門 システムアプローチへの招待

   日本評論社      東豊著

   P153 米国の家族療法家 S・ミニューチン

      「夫婦の葛藤を母親が父親と娘との葛藤に変化させることによって、夫婦は葛藤を迂回させる」

      こどもを通して夫婦間の話し合いをすることは夫婦間のサブシステムがいかにも調和しているかのような

      錯覚を起こさせる。

    夫婦は自分たちの問題を子育ての問題へと迂回させ子どもの逸脱行動を強化する。

    こうした両親の迂回は子どもを攻撃する形をとったり、子どもを病気で弱いものと見て保護するために

    結合したりする。」

 

   社会ネットワークの概念 

         1973年にスタンフォード大学社会学部教授のマーク・-S・グラノベーターが発表した

      家族や親友、職場の仲間といった社会的に強いつながりを持つ人々よりも、友達の友達やちょっとした

      知り合いなど社会的なつながりの弱い人々の方が、自分にとって新しく価値の高い情報をもたらしてくれる

      可能性が高い。

         自分とは違ったライフスタイルを持つ人

         新しいアイデアや重要な情報をもたらす

      生活保護「中間的就労」事業の日常生活自立・社会生活自立への影響

         強い紐帯:病院、福祉事務所、生活保護CWなどの専門職

         弱い紐帯:仲間、ボランティア、中間的就労事業所

      強い紐帯の関係性のみでは、自立は危うく、弱い紐帯が自尊感情を醸成し、エンパワメントにつながる

      中間的な社会資源の開発が望まれる

         The strength of weak ties

 

○SSW  子どもへの支援を行うとき  

   社会福祉士の役割(e-ラーニング)

   ①子ども主体の支援

     利用者本位

   ②重層的システムの理解

     いろいろな、関係性の中で生活し、いろいろな支援がある

   ③時間軸の理解

     過去、現在、未来の視点 将来像を描いた支援

   ④ストレングス視点とエンパワメント

     どんな良いところがあるか、それを力付ける

   ④チームアプローチ

     連携と協力、さまざまな角度から協働する

   専門職としての位置、機能、役割

     子どもの最善の利益

     アドボケイト(権利擁護) 最善へのアプローチ

     エコロジカルな視点(生態と環境)

     ストレングス視点

   チームによる相談支援の必要性

     生活のかかえる課題が多様化、複雑化

     生活課題が学校生活にも影響

     学校生活から生活課題が顕在化

     学校においても生徒の取り巻く環境に支援を行う必要性が増してきている

     関係機関や専門機関との連携が必要

     ネットワークを駆使して支援をする

     問題行動がなかなか収まらない→自分たちの苦しみを訴えている

      根本的な問題に介入のため環境に働きかける

       ネットワークを駆使して支援

         SSW  ソーシャルワークの一分野、手法 

 

○学生の発達障害と就活  

   2019年5月13日毎日新聞

  発達達障害のある学生の就職率は68%(大学全体:98%)

     コミュニケーションが苦手、こだわり、不注意

     就活で困っていること「自信がない」「面接が苦手」

        発達障害の学生はここ5年で2.5倍に増加

     「アルバイトでの挫折などを通じ、働くことへの潜在的な不安感が大きな人がいる」

   発達障害当事者学生団体「BeU」メンバー談

     「就職先が決まることだけがゴールではなく、その先の人生と向き合うために何が必要かを把握できるように

     支援したい」

       学生相談室のカウンセラー

     自分の障害の特性を理解しながら就活できるように支援する動きが広がっている

       東京都の人材サービス会社の特例子会社「ぱーそるチャレンジ」

        コミュニケーションサポートプログラム

        

○不登校・ひきこもりを生きる 

   高岡健 著 青灯社 発行

   1、不登校・ひきこもりを考えなおす

      中学生:抽象的なことたとえば過去とか未来を考え始める

          人と違うことに気が付く年代

      集団と個人の対立➝いじめ➝不登校・:ひきこもり

      個人より集団を大切にする文化➝個人を大切にする

      一人ぼっちという大切な時間、一人の理解者が必要

   2、ひきこもり、ニート、登校拒否をどう考えるか

      ライフステージの中で大切な時間➝人生の幅を広げる、自分を考える時期

      危惧を抱くことは無い、ただ過去の傷ばかりに収斂しない

        親は心配しないで、自分の人生を歩む、経済的支援は必要  

       子どもの人権

   3、ひきこもりの対応

      ひきこもりの時間を十分保障する

      ひきこもりの青年と関わる「斜めの関係」の人が大切

        父とか叔母に相当する年齢の人、無用者

   4、個人を集団より無条件に優位に置く

     みんなのために、集団のために、の考え➝多様な社会モデル、生き方

 

○映画 「君が、いるから」 子ども、若者の人権

   映画界主催 尼崎人権啓発教会(06-6489-6815)

   母親から心理的虐待をうけて悩む若者➝人とのふれあいを通して新たな価値観に気づいていく、

                      ともに心を通わせ、信頼することの先に「希望」と「幸せ」がある

     こどもや若者が社会的に成長し自立していくために、人と人との関わり支えあいながら希望の種をまいていく、

     そんな社会の実現をめざす人権啓発ドラマ

 

○「コミュケーション能力がない」と悩むまえに 生きづらさを考える

   貴戸理恵(不登校経験者) 岩波ブックレット

   関係性の個人化による「生きづらさ」 

     個人の責任、能力とする社会的​絆の衰退による私事化

     「社会的・経済的生きづらさ」「精神的生きづらさ」

   社会的な存在になることは誰もがスムース成していく当たり前のことではない

       人は理由なく学校に行かなくなり得る、

       学校へ行く道具的意味が失われ何のために学校へ行くか分からなくなった

         学校へ行く行かないは仕事をするしないに通じる

   個人化できないコミュニケーション能力

       コミュニケーションは二人以上の間に生じる関係的なことであり、どのような文脈で、

       誰のいかなる振る舞いでコミュニケーションの途絶えを招いているかその都度問い返す必要がある。

   関係性でとらえることによって

       ある種の「生きづらさ」を抱えている人のリアリティに迫る可能性が開かれる。

       関係を相互に調整することによって生きづらさを低減する。

         社会化:環境との不調和の調整

   (体験)幼児期:むずかしい子―小学校時代:不登校―中学・高校

       大学・大学院:安定した生活を求めた―教師・母親:価値体系の創造

       コースを外れてもこの社会の一員である 受容的社会が必要

 

○大人の発達障害  

   NHK朝のラジオ 最近の話題 昭和大学教授・岩波あきら

   ADHD 家庭、会社等のトラブルで最近増えている、 3~4%はADHD(子供の頃は症状は軽い)

        集中力を持続できない、ケアレスミスが多い、片付けが苦手、忘れ物が多い

        感情が変わる、不用意なおしゃべり等で生活に支障がある

          薬物療法、

          グループ療法、グループプログラム  悩み、対応策など共有する

   ASD 大人の社会で生きづらさを感じるようになった、社会生活が不得意

          薬物療法は無い

          こだわりが多い特性、特性を利用

   LD 子どもの頃の対応 ➝ 大人になって特性と付き合う

         周りの人のサポートが大切、特性を理解し優れた面を強調

           これはADHD,ASDにも言える

 

○男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学 

   武蔵大学社会学部助教 田中俊之

   男性が「競争」をベース育ってきたのに対して、女性は「強調」するようにしつけられてきた。

   女性は共感してもらいたい。どうして分かっててくれないの

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「いかに生きるか・いかに生活するか」   

高齢者・こどもなどの社会的弱者が、自律した生活を確立し、自身の意思によって尊厳をもって生活するには、本人の基本的人権・意思を尊重し、権利擁護の視点に立った相談・支援が求められます。

マイガーディアン(社会福祉事務所)は社会福祉士の倫理基準・行動規範を守り、愛と共感を理念として相談・支援の活動をします。

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